遺産を渡したくない!遺言書と遺留分はどちらが優先されるのか

遺留分について

遺言書で相続人の一部に全ての財産を相続させたいとか、多めに相続させたいと考えている方もいるかと思います。
そんな時に問題になるのが遺留分です。
では遺言書と遺留分はどちらが優先されるのでしょうか。
今回はこのテーマで解説していきます。

遺留分が優先される

結論から申し上げますと、遺言書と遺留分なら遺留分が優先されます。
遺言書は被相続人の最後の意思であり、比較的強い効力を持っています。
しかし、その強い効力を持つ遺言書であっても侵すことの出来ない権利が遺留分です。
つまり遺留分は遺言書よりも優先されるということです。
そのため、遺言書を作成するときは遺留分に配慮した内容にしましょう、と言われているのです。

遺留分はなぜ遺言書より優先されるのか

遺留分は相続人が最低限度受け取れる相続分のことで、遺留分が認められている背景としては相続人の保護があります。
例えば、遺言者が自分の財産をすべて相続人ではない第三者に遺贈する遺言書を書いたとします。
これが認められると相続人である配偶者や子供たちが路頭に迷う可能性もあるわけです。
また相続人A、B、Cと3人いたとします。
遺言書では相続人Aがすべて相続するという内容になっており、BとCには一銭も入らない内容でした。
これではBとCは納得いくものではありませんよね。
そういった遺言書に対抗するために遺留分減殺請求というものが認められています。
従って、特定の者が他の相続人より多く相続するような内容の遺言書を作成する場合は、遺留分に配慮した内容とすることが無難です。
もっとも、遺留分を侵害した内容の遺言書が無効となるわけではなく、遺留分を侵害している者が侵害された者から遺留分減殺請求をされる可能性があるということです。
なので遺留分を侵害された者が遺留分減殺請求をしなければ、侵害した者は返還する必要はありません。

遺留分減殺請求ができる対象者

遺留分減殺請求は相続人が誰でもできるというわけではなく対象者が定められています。
遺留分減殺請求は配偶者や子供、親などの直系尊属だけに認められた権利で、兄弟姉妹には遺留分減殺請求は認められていません。
従って、相続人が兄弟姉妹だけで、その相続人に財産を渡したくないという場合は遺言書を作成しておけば、遺留分減殺請求をされることもないので、希望通り遺贈することが可能です。

もし、遺留分減殺請求される可能性がある遺言書を作成するならば、遺留分を侵さない内容には変更するか、何故このような遺言書を残したのかなどを付言事項として記載し遺留分減殺請求をしないようお願いする内容を盛り込むことで遺留分減殺請求を回避できる可能性もあります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました