遺言書とエンディングノートの違いと効力について

遺言書について

今や終活の代名詞となったエンディングノート。
そして遺言書を残す人も増加しています。

では遺言書とエンディングノートの違いは何なのでしょうか。

今回は、その違いや効力について解説していきます。

遺言書とは

遺言書とは遺言者(被相続人)の最後の意思表示となるものです。
被相続人は自分の死後、自らの財産について処分することなどができないため、遺言書に相続人などに財産を分ける内容などを記載しておくのです。

遺言書には法定事項を記載する決まりがあり、何を書いても良いというわけではありません。この法定事項以外のことを記載しても、無効になるわけではありませんが、その場合は法的効力が発生しません。

また作成方法についても法律で定められており、その方式に従って作成しないと無効になる恐れがあります。

このように法律に定められた事項を記載し、定められた方法によって作成されたものが遺言書となります。

エンディングノートとは

エンディングノートとは、自分の死に備えて、希望などを書き留めておくノートのことです。

様々なエンディングノートが市販されていますが、記載する主な内容は以下の通りです。

  • 自分自身に関する情報
  • パスワードやIDに関する情報
  • アレルギーや持病に関する情報
  • 通帳などの財産や貴重品に関する情報
  • 年金や保険に関する情報
  • 葬儀に関する希望
  • 友人や知人への連絡リスト
  • 遺言書の有無
  • 家族へのメッセージ

遺言書とエンディングノートの違い

遺言書とエンディングノートの大きな違いとしては法的効力の有無と言えます。
遺言書は法的効力が発生し、エンディングノートは法的効力が発生しません。

また記載内容や記載方法にも違いがあります。

遺言書は法的効力が発生する関係上、記載内容や方式が法律によって定められています。そのため、何を書いても良いわけではなく、書き方や作成方法にも注意が必要です。

反対にエンディングノートは法律で書き方を定められているわけではありませんので、何をどのように書くかは自由です。その代わり、法的効力は発生しませんので、手続きなどが希望通りになるかどうかは未知数です。

遺言書とエンディングノートのどちらを残すべきか

上記のように遺言書とエンディングノートは、効力や作成方法などに違いがあります。

このどちらを残すべきかというのは、その内容や法的効力を持たせたいという想いなどによって決まります。

例えば、相続の分け方などの指定については遺言書で記載して残すのが良いでしょう。
友人や知事への連絡リストなど、細かい情報はエンディングノートに記載する方が適しています。

また、法的効力を持たせるまでは考えていないけど、出来れば財産をこのように分けて欲しいといった希望の場合はエンディングノートでも良いかもしれません。

遺言書とエンディングノートは互いを補完する存在となる

遺言書とエンディングノートの大きな違いは法的効力の有無ですが、この両者は互いを補完する存在にもなります。

例えば、財産の分け方などの指定については遺言書が適していますが、友人や知人への連絡リストなどは遺言書には適していません。
反対にエンディングノートに、自分の希望をいくら書いても、それを実行するかどうかは相続人次第となってしまいます。

そこで遺言書に記載できる法定事項で、どうしても実行して欲しいというものがあれば遺言書を作成し、遺言書にはあまり適さない友人や知人への連絡リストや家族へのメッセージなどはエンディングノートを活用します。これで、互いの弱点を補い合うことができます。
また、エンディングノートに遺言書の有無なども記載しておくことで、家族が見つけやすくなる効果も期待できます。

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