遺言書を作成しても遺産分割協議はできるのか?

遺言書について

遺言書を作成すれば、その内容の通りに手続きが執行されるのか疑問も思う人もいるかと思います。せっかく、作成した遺言書がその通りに執行されないとなると意味がなくなってしまいますね。

そこで今回は遺言書の内容ではなく、相続人同士で遺産分割協議をすることはできるのかをテーマに解説していきます。

遺言書と異なる遺産分割協議することは可能か

結論から言うと、遺言書の内容ではなく遺産分割協議で財産の分け方を決めることは可能です。

まず、有効な遺言書を作成していれば基本的には遺言書の内容が優先されます。しかし、相続人全員の同意があれば遺言書の内容ではなく、相続人同士で遺産分割協議することもできます。

ただし、遺言執行者が選任されている場合は話が変わってきます。遺言執行者はその名の通り遺言を実際に執行する者です。遺言執行者は遺言を執行する義務があり、また相続人は遺言執行者の執行を妨げることができません。従って、遺言執行者を選任している場合は原則として遺言の内容で執行されることになります。

しかし、遺言執行者の同意があれば、遺言書の内容ではなく遺産分割協議で財産の分配ができると考えられています。遺言執行者の同意がないまま、遺言書とは異なる遺産分割協議をした場合、有効とする説と無効とする説があります。よって、通常は同意を得ておくべきと考えられているのです。相続人全員が遺言の内容に反対しているにも関わらず、遺言執行者が執行を強行すれば遺恨を残す危険性がありますし、誰も望まない結果となることでしょう。そのような結果になることは遺言執行者としても望まないはずです。

相続人以外の者に遺贈する内容にした場合

遺言書の内容が相続人ではなく第三者に遺贈する内容にした場合は、相続人だけでなくその受贈者の同意も必要となります。

例えば、夫、妻、子ども2人の4人家族で、夫が第三者Aにも遺贈する内容の遺言書を作成していたとします。この場合、妻、子ども2人の法定相続人だけでなく第三者Aの同意も必要となります。

 

遺産分割協議ではなく遺言書の内容で執行して欲しい時は?

上記のように相続人全員の同意があれば遺言書ではなく遺産分割協議によって財産が分配される可能性があります。

従って、遺言書の内容を実現して欲しいという想いがあるのなら、遺言執行者を選任しておくのが良いかもしれません。また遺言執行者を選任する際は家族などの相続人ではなく弁護士などの専門家がおすすめです。

その際は、相続人全員の反対があった場合についても相談しておくのが良いでしょう。

まとめ

さて、いかがでしたか?

今回は遺言書の内容ではなく遺産分割協議によって財産の分配が可能かについて解説させていただきました。

遺言書ではなく遺産分割協議で話し合うこともできますが、遺言の内容を執行してもらう可能性を高めることもできます。遺言書は様々なケースを想定して、起こりうるトラブルを未然に防ぐ内容にしなければなりません。

作成に困ったら一度、専門家に相談してみるのもひとつの手です。

以上、遺言書を作成しても遺産分割協議はできるのか?でした。

最後まで、お読みいただきありがとうございます。

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