遺言書を作成するにあたって印鑑は必要となるのか。また印鑑証明は必要なのかといった疑問を持たれる方もいるかと思います。
そこで今回は遺言書を印鑑なし、印鑑証明なしで作成できるかについて解説していきます。
自筆証書遺言で印鑑と印鑑証明は必要か
まず、自筆証書遺言なのか公正証書遺言なのかで要件が異なるのかどうか、それぞれついて解説していきます。
先に自筆証書遺言の場合を見ていきましょう。
自筆証書遺言の要件として「印を押さなければならない」とあります。また「加除や変更」の場合も変更場所に印が必要となります。
従って、自筆証書遺言の場合、少なくとも印鑑は必要ということになります。
次に印鑑証明ですが、つまり実印で押印し印鑑証明書を添付しなければならないのかということですが、この点については要件になっておりません。自筆証書遺言は認印でも可能です。もちろん、実印でも可能ですが印鑑証明書まで求められていませんので、印鑑証明なしでも構いません。
公正証書遺言で印鑑と印鑑証明は必要か
次に公正証書遺言の場合を見ていきましょう。
公正証書遺言の場合、公証役場で遺言書を作成することになりますが、公証役場のホームページを見ると実印と印鑑証明書の提出を求めています。従って原則としては実印と印鑑証明書が必要となるでしょう。
では実印がない印鑑証明書を提出できない人は公正証書遺言を作成できないかというとそうではありません。遺言者の本人確認のため実印と印鑑証明書の提出が求められており、それに変えて運転免許証やパスポートでも可能です。その場合、印鑑は認印ということになります。
遺言書は印鑑証明なしでも作れる
上記の通り、自筆証書遺言の場合も公正証書遺言の場合も印鑑証明書なしでも作成することができます。また、印鑑は必要となりますが、必ずしも実印である必要はありません。
しかしながら、偽造防止のため実印を用いて印鑑証明書も添付しておくのが望ましいという意見もあります。
特に自筆証書遺言の場合、相続人から本当に遺言者が作成したものなのかという疑義が生じる可能性もあります。その場合、トラブルに発展する危険性もありますので、できるだけ実印と印鑑証明書を用いたほうが良いかもしれません。
まとめ
さて、いかがでしたか?
今回は印鑑なし、印鑑証明なしでも遺言書が作成できるかについて解説させていただきました。
印鑑は必要となりますが印鑑証明なしでも作成自体は可能です。しかし、トラブル防止の観点から実印と印鑑証明の必要性は高いと言えるでしょう。
以上、遺言書は印鑑証明なしでも作成できるかでした。
最後まで、お読みいただきありがとうございます。
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