自分の死後に死亡保険金の受取人を変更したいとう人もいるかと思います。
そこで今回は遺言書で保険金の受取人の変更ができるかについて解説していきます。
遺言書で保険金の受取人変更は可能か?
まず、そもそも、遺言書で保険金の受取人を変更することができるのでしょうか。
例えば、保険金の受取人を配偶者にしていたが、遺言書で子どもに変更できるかといったことです。
結論から言うと可能です。
平成22年4月1日に施行された保険法の条文で明らかにされ、「保険金の受取人の変更は遺言によってもすることができる」とされました。
従って、遺言書で保険金の受取人を変更することができます。
遺言書で保険金の受取人を変更する場面とは
では、遺言書で保険金の受取人を変更する場面とは実際にどんな場面があるのでしょうか。
例えば、配偶者はいるけど子どもがいない場合です。配偶者がいる場合、大抵の場合は配偶者を保険金の受取人にしているかと思います。そこで、夫が妻を受取人にしていたとします。しかし、妻が先に亡くなってしまい、その後、受取人の変更をしないまま夫も亡くなってしまいました。この場合は、妻の相続人に保険金が支払われることになります。
そうなった場合に、妻の相続人ではなく、夫の相続人に保険金が支払われるようにしておくことができます。これを予備的遺言と言います。
遺言書で保険金の受取人を変更した場合の注意点
遺言書で保険金の受取人を変更した場合の注意点ですが、保険法によると「遺言による保険金受取人の変更は、その遺言が効力を生じた後、保険契約者の相続人がその旨を保険者に通知しなければ、これをもって保険者に対抗することができない。」としています。
例えば、遺言者Aが保険金の受取人を相続人Bとしていたとします。しかし遺言書で受取人を相続人Cに変更する旨を記載していました。ところが相続人Cが保険会社に対して受取人の変更を通知する前に、相続人Bの請求により保険金の支払いをしてしまいました。こういった場合、相続人Cは保険会社に文句は言えないということです。保険会社としては遺言書の存在や内容を把握していませんので、保険会社としては受取人とされていた相続人Bに支払ってしまうのは当然のことです。そのことについて保険会社に過失は問えないので、相続人Bに対し相続人Cが請求していくことになるかと思います。
保険金は遺産分割の対象外
ちなちに死亡保険金は受取人の固有の財産となります。
その為、死亡保険金は相続財産ではないので、遺産分割の対象外となります。
相続人の遺留分を侵害していた場合、遺留分減殺請求を受ける可能性もありますが、相続財産ではないので当然、遺留分減殺請求の対象外となります。
そこで、あえて死亡保険金にして財産を残しておく方法もあります。こうすることで、遺産分割の対象外となるので、財産を残したい人に直接、渡すことができます。
まとめ
さて、いかがでしたか?
今回は遺言書による保険金の受取人変更について解説しました。
特に子どもがいない夫婦などでは必要になってくるかと思いますので、専門家に相談するなどして適切な内容にすることをおすすめします。
以上、遺言書で保険金の受取人を変更したい場合でした。
最後まで、お読みいただきありがとうございます。
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