区分所有のマンションを所有している場合、そのマンションも相続財産となります。
従って遺言書を作成する際は、マンションについてもきちんと記載しなければなりません。
そこで今回は区分所有のマンションを相続させる場合の遺言書の書き方をご紹介します。
区分所有のマンションを相続させる場合の遺言書の書き方とは?
自筆証書遺言で区分所有のマンションを相続させる場合の書き方ですが、区分所有のマンションを相続させる場合は、全部事項証明書(登記事項証明書、登記簿謄本ともいいます)に記載されている情報をもとに「一棟の建物の表示」「占有部分の表示」「敷地権の目的たる土地の表示」「敷地権の表示」を遺言書に記載します。
【一棟の建物の表示】
所在と建物の名称を記載。
【占有部分の表示】
家屋番号、建物の名称、種類、構造、床面積を記載。
【敷地権の目的たる土地の表示】
土地の符号、所在、地番、地目、地積を記載。
【敷地権の表示】
土地の符号、敷地権の種類、敷地権の割合を記載。
※「土地の符号」とは敷地権に割り振られた番号のことです。全部事項証明書(登記事項証明書)に記載されています。
区分所有のマンションを相続させる遺言書の記載例
第〇条
遺言者は下記の区分所有のマンションを妻○○(昭和○○年○月○日生)に相続させる。
(一棟の建物の表示)
所 在 東京都千代田区丸の内○丁目○○番地○○
建物の名称 丸の内マンション
(占有部分の建物表示)
家屋番号 ○○番○○
建物の名称 ○○号
種 類 居宅
構 造 鉄骨鉄筋コンクリート造○○階建
床面積 ○階部分 ○○㎡
(敷地権の目的たる土地の表示)
符 号 〇
所在及び地番 東京都千代田区丸の内○丁目○○番○○
地 目 宅地
地 積 ○○○〇㎡
(敷地権の表示)
土地の符号 〇
敷地権の種類 所有権
敷地権の割合 ○○○○分の○○
区分所有マンションの財産目録の注意点
自筆証書遺言の場合、上記のように区分所有のマンション情報を正確に自書する必要がありました。しかし、2019年1月13日より、財産目録はパソコンでの作成が認められ、その他不動産の全部事項証明書(登記事項証明書)の添付も可能となりました。
財産目録をパソコンで作成した場合や区分所有マンションの全部事項証明書を添付した場合は、その最後に署名・押印します。これが認められているのは財産目録に関してのみなので注意してください。その他については従来通り自書しなければなりません。
遺言書には次の通りに記載します。
【記載例】
第〇条
遺言者は別紙財産目録1記載の財産を妻○○に相続させる。
そしてパソコンで作成した財産目録か全部事項証明書を添付します(最後に署名と押印)。
まとめ
さて、いかがでしたか?
今回は区分所有のマンションを相続させる場合の遺言書の書き方をご紹介しました。
新しく法改正がされ、自筆証書遺言の財産目録をパソコンで作成することができ、全部事項証明書の添付でも認められるようになり、いくぶんか作成の負担が軽減されました。
従来通り、遺言書に不動産情報を記載する場合は自書しなければなりませんので注意してください。
以上、「遺言書でマンション(区分所有)を相続させたい場合の書き方と注意点」でした。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。
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